「その映像、何で作った?」V01Dの制作環境を全部見せます。
3DCG、VFX、モーショングラフィックス、実写、そして生成AI。
完成した映像だけを見ていると、その裏側でどんなソフトウェアが動いているのかは、意外と分からないものです。
「このCGは何で作っているんですか?」
「AIも制作に使っているんですか?」
「実写とCGはどうやって組み合わせているんですか?」
V01Dでも、制作についてこうした質問をいただくことがあります。
実際のところ、V01Dではひとつのソフトウェアだけで映像を完成させることはほとんどありません。
Blenderで3DCGを制作し、After Effectsで実写やグラフィックと合成する。Premiere Proで映像全体を編集し、必要に応じてDaVinci Resolveでカラーを仕上げる。
プロジェクトによってはUnreal Engine 5でリアルタイムの3D空間を構築し、さらに生成AIや3D生成ツールを制作工程へ取り入れることもあります。
今回は、そんなV01Dの映像が完成するまでの“裏側”を、実際に使用しているソフトウェアとともに紹介します。
まずは、3DCG制作の中心「Blender」

V01Dの3DCG制作で中心となっているのが「Blender」です。
キャラクターやプロダクトのモデリングから、スカルプト、リギング、アニメーション、ライティング、シミュレーション、レンダリングまで、3DCG制作に関わるさまざまな工程で使用しています。
V01Dでは、単純に「3Dモデルを作るためのソフト」として使っているわけではありません。
現実では撮影できないカメラワークを作る。
まだ存在していないプロダクトを映像化する。
キャラクターを動かす。
現実には存在しない空間を構築する。
最近では、LEDやデジタルサイネージ、3Dホログラムなど、特殊な表示環境を前提としたコンテンツ制作でも3DCGを活用しています。
現実に存在するものを再現することもあれば、現実には存在しない世界そのものをつくることもある。
V01DにとってBlenderは、
「存在しないものを、存在させるための場所」
に近いかもしれません。
Blenderだけでは、映像は完成しない。「After Effects」

3DCGをレンダリングしたら完成。
……というわけではありません。
むしろ、そこからが映像制作の後半戦です。
V01Dでは「Adobe After Effects」を使い、Blenderからレンダリングした3DCG、撮影した実写素材、タイポグラフィ、グラフィック、エフェクトなどを組み合わせていきます。
特に広告やブランド映像では、CG単体の美しさだけではなく、
「商品をどう見せるのか」
「どこに視線を誘導するのか」
「ブランドとしてどんな印象を残すのか」
といった部分まで考える必要があります。
After Effectsでは、コンポジットやVFX、モーショングラフィックスを重ねながら、最終的な画を作り込んでいきます。
Blenderで世界をつくり、After Effectsで映像にする。
V01Dの制作では、この2つを行き来しながら作品を仕上げることも少なくありません。
「0.5秒」を決める。「Premiere Pro」

映像の印象は、ほんの少しの時間で変わります。
カットを0.5秒短くする。
音楽が盛り上がる瞬間に映像を切り替える。
CGを見せる時間を少しだけ長くする。
SNSであれば、最初の数秒で続きを見てもらえるかどうかも重要です。
こうした映像全体の「時間」を組み立てるために使用しているのが「Adobe Premiere Pro」です。
撮影素材、3DCG、モーショングラフィックス、音楽、ナレーションなどを一本のタイムラインへまとめ、最終的な映像へ編集していきます。
編集というと「不要な部分を切る作業」というイメージがありますが、実際にはもっと設計に近いものです。
何を、どの順番で、何秒見せるのか。
Premiere Proでは、映像を見る人の「時間」をデザインしています。
最後に、映像の「温度」を決める。「DaVinci Resolve」

同じ映像でも、色が変わるだけで印象は大きく変わります。
冷たいのか。
暖かいのか。
未来的なのか。
ノスタルジックなのか。
高級感を出したいのか。
映像全体の色やトーンをより細かく仕上げる必要がある場合には「DaVinci Resolve」も使用します。
単純に映像を「綺麗な色」にするのではなく、その作品やブランドが持つ世界観に合わせて色を設計する。
最後のわずかな調整によって、同じ素材でも映像から感じる空気は大きく変わります。
色もまた、映像を構成するひとつの演出です。
リアルタイムで世界を動かす。「Unreal Engine 5」

プロジェクトによっては、「Unreal Engine 5(UE5)」を使用することもあります。
Blenderが3Dモデルやアニメーションを作り込んでいく場所だとすれば、UE5の魅力のひとつは、構築した3D空間をリアルタイムで確認しながら画づくりを進められることです。
広大な3D空間を構築する。
ライティングを変える。
カメラを動かす。
その結果をリアルタイムで確認する。
映像を一本ずつレンダリングするだけではなく、「その世界そのものを動かす」ような制作が可能になります。
V01Dでは、すべての3DCG制作をUE5で行っているわけではありません。
Blenderが適している案件もあれば、After Effectsを中心に制作した方が効率的な案件もあります。
一方で、リアルタイムレンダリング、大規模な3D空間、バーチャルプロダクション的な表現など、UE5の特性が活きるプロジェクトでは積極的に制作環境へ取り入れています。
Blenderで3Dアセットを制作し、UE5で空間やライティングを構築し、After Effectsでさらに仕上げる。
そんなソフトウェアを横断した制作も行います。
そして今、制作現場に「AI」が入ってきた。
ここ数年で、映像制作のワークフローは大きく変わり始めています。
その理由のひとつが、生成AIです。
V01Dでも、アイデアの検証、コンセプトビジュアル、プリビジュアライゼーション、画像生成、映像生成、3D生成など、さまざまな場面でAIツールを取り入れています。
例えば、以前なら実際に3Dモデルを作ってみなければ分からなかったアイデアでも、AIを活用することで、制作に入る前に複数の方向性を短時間で検証できます。
3D生成AIでベースとなる形状を生成し、Blenderへ持ち込んで人間が細部を修正する。
AIでコンセプトを作り、そこから3DCGとして再構築する。
映像生成AIをプリビズとして利用し、本制作のカメラワークを検討する。
AIによって、「完成品をつくる」だけではなく、完成するまでの試行錯誤そのものを高速化できるようになってきました。
ただし、V01Dでは「AIが全部つくってくれる」とは考えていません。
AIが得意な工程はAIに任せる。
人間が判断すべき部分は、人間が判断する。
必要であれば、従来の3DCGやVFXの技術で作り直す。
「AIか、人間か」ではなく、「AIと人間をどう組み合わせるか」。
その設計自体が、これからのクリエイティブに必要な技術のひとつだと考えています。
実は、毎回ワークフローが違います。
ここまでさまざまなソフトウェアを紹介してきましたが、V01Dには「必ずこの順番で制作する」という決まりはありません。
実写を中心とした案件なら、
企画 → 撮影 → After Effects → Premiere Pro
3DCGを中心とした案件なら、
企画 → Blender → After Effects → Premiere Pro
AIを活用する案件なら、
企画 → AI → Blender / UE5 → After Effects → Premiere Pro
リアルタイム3Dなら、
Blender → Unreal Engine 5 → After Effects → OUTPUT
ということもあります。
そして、最終的なOUTPUTもひとつではありません。
WEB / SNS / DIGITAL SIGNAGE / LED / EVENT / HOLOGRAM
スマートフォンで見る15秒の映像と、巨大なLEDビジョンで見る映像では、同じ作り方が正解とは限りません。
どこで、誰が、どう見るのか。
そこから逆算して、制作方法そのものを設計しています。
結局、一番大事なソフトは何ですか?
もし、
「V01Dで一番重要なソフトウェアは何ですか?」
と聞かれたら、少し答えに困ります。
Blenderも重要です。
After Effectsも重要です。
Premiere Proも、DaVinci Resolveも、Unreal Engine 5も、AIも重要です。
でも、数年後には、今とはまったく違うツールを使っているかもしれません。
制作ソフトもAIも、これからさらに進化していきます。
だからV01Dでは、特定のソフトウェアを使い続けることよりも、
新しい技術を理解し、アイデアに合わせて使いこなすこと。
その方が重要だと考えています。
3DCGでもいい。
実写でもいい。
AIでもいい。
必要なら、それらを全部使ってもいい。
最終的に重要なのは、
「何を使ったか」ではなく、「何をつくったか」。
Software changes. Ideas remain.
道具が変わっても、アイデアは残る。
V01Dはこれからも、3DCG、VFX、リアルタイム技術、そしてAIなど、新しいテクノロジーを制作現場へ取り入れながら、映像表現の可能性を広げていきます。
